時事通信社 記者1

時事通信社 記者 中山真二くん 慶応大学卒

 

 この仕事をしてみて意外だったのは、嫌われていると感じる機会が多いことです。それは私個人の取材方法にも問題があるのでしょう。ただ、マスコミに対してよい印象を持っていない人が今の世の中には結構いるのではないかとも考えています。

 記者が事件関係者を取材する場合、たいてい夜や早朝にその人の家まで行って話を聴くことになります。世間一般の常識では夜の9時や10時を過ぎているのに、インターフォンを押したり家の前で帰りを待っていたりするのは失礼なのでしょうが、仕事上そういうこともせざるを得ません。しなければ上司から怒られますし、他社がスクープをしたときなどは急いで内容を確認し、追いかけなければならないこともあります。当然、取材対象者の家族はよい思いをしませんし、近所の人は不審な目を向けてきます。時には警察に通報されることだってあります。

 取材対象者だって何でもかんでも話せば、自分が所属する組織内での信用を失う恐れがあります。それに大きな事件であれば、マスコミ各社が押しかけますから、話すにしても何度も同じ事を聴かれる羽目になります。直接自分の利益にならないことを何度も話すのはうんざりするでしょうし、時には疲れていて記者の相手をしたくない場合もあるでしょう。私はおっちょこちょいで、質問すべきことを聞き忘れて何度も連絡をとることがあるので、取材相手にしょっちゅう迷惑をかけています。

 入社以前はマスコミの仕事に公共性があるのだから、話を聴けるのは当然だと思っていました。しかし取材を受ける側からすれば、マスコミの勝手な都合で話を聴きに来ていると映ることもしばしばですし、事実それは否定できません。だから最近、自分が相手からどう見られているのかを意識するように心がけています。客観的な視点を身に付けるのはなかなか難しいことですが、相手の視点を意識して行動しないと結局それが自分に跳ね返ってくることになるからです。

 CTAに通っていたときに、私は先生やメンバーから「謙虚さが足りない」とか「傲慢だ」という指摘を受けました。当時は別にありがたみを感じませんでしたが、今思うとそういう他人の視点を教えてもらえたのは貴重な体験でした。マスコミの仕事は非常識と思われることが多くて大変ですが、だからこそ相手からどう見られているのか知った上で行動することが必要なのかもしれません。

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